【2009.06.16】
土地有効利用について(政令指定都市化による市街化区域内の農家の苦悩とトラブル)
T地
面積:約400坪、時価:2000万円(周辺路線価:坪当り23.5万円、小規模住宅としての相場:坪当り約20万円)
U地
面積:約570坪、時価:3,000万円(路線価:坪当り22万円、小規模住宅としての相場:坪当り約20万円)
T地、U地共、市街化調整区域に近く、アパート等を企画しても、入居が難しく、道路を作り、分譲しても、坪当り20万円位しかならない地域です。
T地には、鉄筋3階建て、建築費約27,000万円、月額賃料240万円の、福祉施設を建築すると言うことで、テナントと合意し、設計着手。ところが賃借条件の最終詰めの段階で、建築費アップの計画変更や賃料の減額により、事業計画が成り立たなくなった為、計画を断念する。その後、設計事務所から損害賠償の請求を受け、裁判に移行。
U地には、鉄筋3階建て、建築費約28,000万円、月額賃料180万円の、やはり福祉施設を建設。賃貸借契約を締結し、建物請負契約を締結。基礎を打ち終え、1階にかかるときに、テナントが倒産、賃貸借契約の続行が不可能になる。請負業者との損害賠償や、テナントの紹介業者が請負業者だった為、道義的な責任問題をネゴ中に、運良く次の事業計画がスタート出来、損害は出たものの、何とか無事終了する。
この有効利用のトラブルには、次の様な背景があります。
@市街化区域農地の宅地並み課税により、土地の有効利用を図りたいと思っても、市街化調整区域に近い地価の低い農地は、売却しても安いし有効利用の計画が立てづらい。このままで行くと税金は高くなるし、かと言って、生産緑地地区に指定するのは嫌だ。そんな葛藤しているときに、高い条件につられ、突っ走ってしまった。(同じ問題を抱えている農家も多いと思う)
A福祉関係の計画は、建築費が高くて、その割りには賃料が安く、敷金保証金が少なくて、事業計画の収支バランスが悪い。社会に対する貢献だとか、福祉なんだから安いのは当然だとか言う事を言われると、ついつい自分たちがあこぎな要求をしている様な錯覚に陥ってしまう。
B事業計画に於いて、借金を負うのは自分だけと言うことやテナントはいつでも逃げる事が出来ると言うことが解っていない。又、福祉関係だから安全だと、つい盲信してしまう。そして一番肝心な事は、有効利用に於いては、原則、土地費以上の建築費をかけてはいけない事と言うことが解っていない。
C事業計画提案者は建築業者や設計業者が多く、事業費については検討する余地が貸し主側には無いと言うこと。又、競争入札と違い特命になるので、安くならない(中には、事業費から借り主が紹介料と言う名目で、お金を取る場合も有り、その金額が建築費に乗ってしまうので、結局高いものについてしまう。でもそのことは貸し主には解らない)
まだまだ、細かな事な事はあるが、この4点になると思う。
恐らく、相当数のトラブルがあるのでは無いかと、推測される。
では、有効利用についてどの様に考えて行ったら良いのか、何回かに分けて考えて見たいと思う。 |